マーヴィン・ゲイ
洋楽好きな方なら、だれでも知っている
マーヴィン・ゲイです。彼はモータウン・
レーベルの創始者、ベニー・ゴーディ・
ジュニアをして「私の知る限り誰よりも
本物というに相応しいアーティスト」と
言わしめたミュージシャンです。
数々のヒットを飛ばし、1970年代には
アメリカでは2年間もヒットチャートに留
まっていました。しかし多くのミュージシャ
ンが陥るように、マーヴィン・ゲイも私生活
では苦しい状況になってしまいます。
先妻との泥沼の離婚調停や二度目の結婚生活
の破綻、自身の薬物依存、レーベルとの不仲
など彼を苦しめていきます。
破産状態
1978年にリリースした「離婚伝説」は離婚
した元妻への慰謝料アルバムとも酷評され、
さらに国から、納税を怠ったとして、数百万
ドルもの支払いを求められ、破産状態でした。
彼は各地を転々として最後はベルギーの自宅で
うつ状態で過ごしてしまhした。しかし彼の
才能を惜しむ後援者たちが援助に回って、
ほそぼそと自宅でレコーディングを始めました。
日本のリズムマシン
かつてのように大勢のミュージシャンを雇って
レコーディングが出来なかったので、シンセサ
イザーとリズムマシン(いわゆる打ち込み)で
曲をつくりました。この時、使われたのが、
当時発売されたばかりの日本のローランド社の
TR-808でした。
今までのリズムボックスと異なり自分でドラムの
パターンを打ち込める画期的な楽器です。
セクシャル・ヒーリング
こうして作られたアルバム「ミッドナイト・ラブ」
は大ヒットして、「セクシャル・ヒーリング」は
彼にとって初めてのグラミー賞をとります。
最初のイントロのリズムマシンが、TR-808の
音です。もちろん楽曲も素晴らしのですが、
もしこのリズムマシンの音でなかったら
もっと違うテイストになっていたと思います。
神の采配か?
ここで、たらればですが、もし、彼が離婚を
していなかったら、前作のアルバムがヒット
していたら、ローランドのTR-808が世の中に
出ていなかったら、彼はグラミー賞をとる
ことができたでしょうか?
ここでやはり、神の采配がそうさせたのでは
ないのかと考えさせられます。酷い状態の
中からでも、人は輝くことができると言える
のではないかと思っています。
おまけ
リズムマシン、TR-808はこんな超有名な映画
のイントロでも使われていますよ。
(アイキャッチ画像出典:ウィキペディア)
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